オンラインは、
対面に置き換わっていくものではなく、
新たな選択肢です。
つまり、
対立するものではなく、並列するもの。
代替品ではなく、オプションと捉えましょう。
プロ野球のオンライン応援を体験
地元のプロ野球チーム、
楽天イーグルスの「オンライン応援」に参加してみました。
これまで無観客試合が続いていた中で、
オンライン上に集まって、
選手にエールを送るという趣旨の企画です。
オンライン会議システムのZoomを活用し、
パソコンやスマホに表示させつつ、
試合自体は、テレビで各自が観戦します。
(写真参照)
攻撃中は、応援団の掛け声に合わせて一緒に応援し、
守備中は、球団OBによるトークショーや、
プレゼント抽選会などの企画を行います。
球場の大型スクリーンに、自分の画面が映ったりもしました。
最初はどんなもんだろうと思いつつ、
半信半疑で参加しましたが
やってみたら、案外面白かったです。
「選手に応援が聞こえるはずないのに、むなしくないか?」
と問われると、
えぇ、まぁそうです、
はっきり言って自己満足なんですよね。
ですが、
球場にいたからといって選手に声が届くかというと、
まぁそういうわけでもないでしょう。
(特に私は、球場では遠慮がちに見ているので)
むしろ、内気な私としては、
自室にいた方が、気楽に自由に応援ができつつ、
けれど一人ぼっちではなく、
他のファンと一緒になっている、という感覚が得られるので、
それがちょうどよかったようです。
テレビ観戦のデメリットを補う、オンライン応援
とはいえ、
オンライン応援それ自体に大きなメリットがある、
という感じではありませんでした。
それよりも、
オンラインは、
テレビで観戦するときのデメリットを補うもの、
という整理がしっくりきます。
つまり、
メリットを出す、というより、
デメリットを打ち消す、という機能です。
球場観戦と比べた、テレビ観戦のメリットは、
・試合の状況が分かりやすい
・お金がかからない
・人目を気にしなくていい
・好きな時に見て、好きな時に消せる
・他のことと並行して、「ながら見」ができる
などがあります。
また、なにより最近ですと、
・コロナ感染リスクが低い
・大声を出して応援ができる
といったものもあります。
一方で、
・臨場感や一体感が味わえない
という決定的なデメリットがあります。
このデメリットを補うのが、オンライン応援です。
もちろん、球場観戦のように、
一流のプロ選手の
ダイナミックなプレイを目の当たりにすることはできません。
球場で食べるご飯やビールは格別ですし、
球場に向かうまでの道は、なぜかワクワク感があります。
オンライン応援では、そういった体験はできません。
つまり、球場観戦の代わりにはなりません。
ですが、
現状、コロナ感染リスクが高まっており、
球場に向かうにはストレスが高い状況です。
そうでなくとも、
球場応援をしたくてもできない人や、
私のように、家で観戦した方が気軽でよい、
という人もいるでしょう。
そういったニーズに応え、
テレビ観戦に新たな価値を付け加えてくれるのが、
オンライン観戦なのだと思います。
オンラインは対立するものではなく、並列するもの
では、これを仕事に置き換えると、どう言えるか。
会議や打ち合わせという場面を考えた時に、
対面からオンラインへ、という流れがあります。
これを対立軸で考えて、
「これからはオンライン」
「やっぱり対面じゃないと」
と考えるのは、間違いです。
それよりも選べるメニューが増えた、
と捉える方が建設的です。
これまでは対面だけだったのが、
新たにオンラインが選べるようになったのです。
これは、
球場で応援できなくなったので、
オンラインで応援する、ということではなく、
・球場で応援する
・オンラインで応援する
という選択肢ができた、ということと一緒です。
対立するものではなく、並列するものです。
目的や性質状況に合わせてより良い方法を選ぶ。
必須ではないので、
無理して揃える必要はないかもしれません。
しかし、確実に必要性は高まっています。
選択肢を増やしておいた方はいいし、
その質は上げておきたいところです。