私が公認会計士の看板をあえて外した理由

私の生き方・考え方

1年半ほど前になりますが、
公認会計士の看板をあえて外しました

どんなお客さんの役に立ちたいのか。
どんな仕事をやっていきたいのか。

これらが、明確になったからでした。

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2020年4月に公認会計士の登録を抹消

私はいま、税理士として活動していますが、
もともとは公認会計士でした。

税理士試験ではなく、
公認会計士試験に合格し、
その後、実務経験を3年積んで、
晴れて、公認会計士の登録をしました。

公認会計士の資格を得ると、
税理士への登録もできるようになるので、
独立当初は、
公認会計士と税理士、
両方の登録をしていました。

「飯塚千隼公認会計士・税理士事務所」という屋号でした。

ダブルライセンス、というと聞こえはいいですが、
登録料や会費が二重にかかって、
まぁ当初からモヤモヤした思いはありました。

そしてその後、
とあるきっかけから、一念発起し、
公認会計士の登録をあえて抹消することを決意し、
2020年4月からは、
税理士一本で勝負しています。

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どんな人に役に立ちたいか

なぜ、あえて公認会計士の看板を外したのか。

その理由は、
どんな人の役に立ちたいか?と考えたときに、
会計士という看板は必要ない、
と思ったことにあります。

どんな人の役に立ちたいのか?というと、
「会計士と税理士の区別がつかないような人」です。

具体的には、
個人事業主や、社長ひとりで会社をやっているフリーランスで、
売上規模でいったら、年間売上1億円くらいまで。

従業員数でいったら、1人でやっているとか、
家族だけとか、いてもせいぜい5人程度まで。

資本金でいったら、100万円とか、
多くても500万円くらいでしょうか。

一言でいえば、スモールビジネスってことです。

こういった人たちは、
会計士の仕事はどういうものなのか、
税理士とはどう違うのか、
ってことは、知らない人がほとんどです。

そういう人たちのサポートがしたい、
と考えたときに、
会計士という資格は、
あっても意味ないな、と思ったわけです。

原体験は、父を見て育ったことです。

父は、非常に小さいながら、会社を経営していました。

父と母、それに社員さんが1〜2人、
あとはパートさんが1〜2人。

そのくらいの規模でした。

当たり前のようにそれを見て育ち、
大学卒業後は、
いち社員として父の会社で働き、
父と二人三脚でやっていたこともありました。

東京で働いていたころ、
誰もが知っているような大企業や、
新聞に載るような大きな案件を、
任せてもらったこともありました。

が、どうにもピンときませんでした。

それよりも、
顔が見える規模の会社の仕事の方が好きでしたし、
やりがいを感じていました。

それでも独立当初は、
会計士という肩書を積極的に売っていこう、
と思っていましたし、
会計士と税理士は違う、と感じてほしい、
と思っていました。

ですが、その思いとは裏腹に、
会う人会う人に、
「会計士さんと税理士さんって、何が違うの?」
と聞かれました。

「会計士さん」といってもらえても、
よくよく聞くと、
その中身は税理士となんら変わりがありませんでした。

自分のなかでも徐々に、
「自分は税理士だよな」という自覚が芽生えてきました。

なにせ、税理士の仕事しかやっていませんでしたので。

そうしているうちに、
「会計士と税理士の区別がつかないような人」に役立つ上で、
公認会計士の資格は無意味だよなぁ、
と思うようになったわけです。

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自分だからこそできる仕事がしたい

とはいえ、
一応登録したままにしておいて、
肩書には残しておく、という選択肢もありました。

しかし、公認会計士という看板があるとかえってよくない、
と考え、登録を抹消することにしました。

そのことに関係するのが、
独立する強い動機づけとなった、
「自分だからこそできる仕事がしたい」
という思いです。

独立してから、
公認会計士・税理士事務所として1年ほど経ち、
ようやく、少しずつではありますが、
仕事のご依頼やお問い合わせをいただくようになりました。

そんななか、
「公認会計士」という看板を掲げていたからこそ、
いただいたんだろうな、と思うような、
大きな仕事のご依頼がありました。

なぜ私に?!とビックリしつつも、
はじめはワクワクドキドキ、小躍りしていました。

しかし、よくよく話を聞くうちに、
どうしても違和感が芽生え、
拭い去ることができなくなってしまいました。

大きな仕事、というだけあって、
関与する登場人物がとても多いようなのです。

大企業となると、
社長さんがいて、役員が脇を固め、
従業員もたくさんおり、
金融機関とのパイプも強く、
株主が控えていて、
監査法人や証券会社、社労士さんも絡んできます。

そのなかで、
税理士としての役割は…と考えたときに、
非常に窮屈な感じがしたのです。

それは、会社員として組織のなかにいたときに感じた、
「入れ替え可能な存在」という思いに類似したものでした。

誤解の無いように言っておくと、
会計士が入れ替え可能な存在だ、
と言いたいわけではありません。

しっかりと実力を備えていて、
自分にしかできない仕事をされている会計士さんは
いっぱいいると思います。

そういう仕事が自分に来ないのは、
自分の実力のなさ、存在感のなさが原因です。

それに、税理士の仕事だって、
入れ替え可能だとも言えます。

そういうことではなく、
スモールビジネスのサイズ感が私にはしっくり来るのです。

顔の見える小さな事業者さんの方が、
全体を見渡せるので、
私一人が担う責任が大きくなります。

だからこそ、
「自分だからこそできる仕事」ができるんじゃないか、
と考えるのです。

フリーランスの方を含めて、
そういった規模感のお客さんをサポートすることこそ、
父の会社をずっと見て育った私のやりがいです。

この点で、
会計士という看板を掲げたままでは、
誤解を招いてしまい、
かえってよくないし、
中途半端な未練は断ち切るべきだ、
という思いに至り、
会計士の看板は外すことにしました。

おかげさまで、
肩の荷がひとつ下りて、身軽になりました。

とはいえ、だからといって、
自分だからこそできる仕事のご依頼が
自然といただけるわけではありません。

私を求めてくださるお客さんに見つけていただけるよう、
ネットで自分の腕を磨き、アピールすること。

これを日々続けていきたいです。


【編集後記】

昨日は、法人決算。

来週、結婚式なのですが、
まん延防止等重点措置の適用に伴って、
アルコールの提供ができないことに。

心苦しいところではありますが、
しょうがない。

そう言い聞かせるしかないかなぁと。

【一日一新】

動画配信バックの装飾(壁紙シール)

【昨日のYouTube】

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