営業が苦手だったら、
フリーランスとして生き残れないのか。
そんなことはなく、
営業が苦手であれば、
経理を重視するスタイルで事業をやっていく道があると考えています。
内向型は、営業が苦手
フリーランスになると、
自分で仕事を取ってこなくてはなりませせん。
しかし、内向的な人は、
営業が苦手な人が多いのではないかと思います。
たとえば、雑談や接待。
内向的な人は、生来的に、
自分の思いや考えを言語化するのに時間がかかるという特徴を持ちます。
そのため、
中身の薄い会話のキャッチボールをしたり、
その場に合わせて、臨機応変に話をしたり、
といったことが、
どうしても苦手になってしまいます。
商人というより、職人気質。
そんな自分を分かっているからこそ、
人とコミュニケーションを取るよりも、
実務的なスキルを磨いて、
その技術を武器に、独立してフリーランスになる、
というパターンが多いのではないでしょうか。
(私がまさにそうなのですが)
営業なんて、ほとんどやったことはない中で、
「まぁなんとかなるだろう」と思って独立したものの、
どうやったらいいかもよく分からず、
結局、苦手意識を強く持ったまま、
というのは、決して私だけではないはずです。
守備=経理を固める、という方向性もある
では、営業が苦手だったら、
フリーランスとして生き残れないのか。
さすがに、売上がゼロでは生き残れません。
しかし、スタイルとして、
経理を固める、守備重視の方向性もあります。
フリーランスとして事業をやっていくうえで、
攻撃と守備に分けるならば、
・攻撃=営業
・守備=経理
に分けられます。
もちろん攻撃(営業)をしなければ、勝てないわけですが、
守備(経理)を固める中で、
攻撃の手数は最小限でやりつつ、守り勝っていく、
という戦略は、なにも珍しいことではありません。
たとえば、
サッカーのイタリア代表は、
「カテナチオ」と呼ばれますが、
まずは守備をしっかり固めつつ、
攻撃はカウンター狙い、少数精鋭で仕掛けつつ、
守り勝つ、というのが伝統的なスタイルとされています。
営業を重視するか、
経理を重視するか。
これは、どっちがえらいとか、
どっちが得とかいう問題ではなく、
個々人のスタイルの問題です。
経理だって、営業と同じくらい大事
こういうと、
「あなたが税理士だからそういうんじゃないか?」
「結局営業ができなきゃ食っていけないじゃないか」
「経理なんて、確定申告のためにやらなきゃいけないからやるものじゃないか」
と思われるかもしれません。
たしかに、営業は大事です。
しかし、それがすべてではなく、
同じくらい、経理だって大事です。
たとえ売上が増えていっても、
利益が伴っていなければ、意味がありません。
経理をちゃんと行っておらず、
どんぶり経営でやっている人に限って、
売上を取るために、
ガンガン外注費をかけていたり、
人手を割いて人件費がかかりすぎていたり、
身の丈に合わないオフィスを借りて家賃に苦しんでいたり、
「お金が出ていく体質」ができがっているのです。
調子がいいときは、それでもいいでしょう。
しかし、事業には好不調の波があります。
気がついたら、利益は全然出ておらず、
かといって、
取ってきた売上を減らせない、
採用した人手を減らせない、
せっかく入ったオフィスから出られない、
とがんじがらめになって、
出口が見えなくなってしまうのです。
そこまでして取る売上に、価値があるでしょうか。
理想的には、
お金の入りと出のバランスをみて、
事業全体のコントロールをしていくべきで、
そのためには、
経理をちゃんと行う必要があります。
経理は、経営管理の略です。
つまり、経理がつくる情報をもとに、
事業をコントロールしていくのです。
たとえば、売上を減らすという判断。
単価が低かったり、売上が労力に見合わなかったり、
自分の軸に合わなかったり、
という理由で、考えることが出てきます。
しかし、経理をちゃんとやっていないと、
なかなか正しい判断ができません。
その売上が無くなったとして、
ちゃんとお金が回るのか食っていけるのか?
これは、売上だけ見ていても分からず、
どれだけ経費が出ているのか、
さらには、生活費がどれだけ出ているのか、
あるいは借入があれば、返済にどれだけ消えていくのか、
といったことを総合しなければ、
適切な判断が下せないからです。
このように、経理は、
「確定申告のためにやらなきゃいけないだけのもの」ではなく、
営業と同じくらい大事なものです。
内向的な人の場合、
営業は苦手でも、
経理は得意になる可能性を秘めています。
業務の性質上、
一人でコツコツやるものが多いからです。
税理士として現場を見ていても、
細やかな感性を持っている人のほうが向いていると感じます。
それだけに、
営業が苦手なことにコンプレックスを持つ必要はなく、
守備重視スタイルで生き残っていく道を目指す価値はあると思います。
【編集後記】
昨日は、法人決算、メール対応。
最近、慢性的な運動不足を打破すべく、
意を決して、
Nintendo Switchとリングフィットアドベンチャーを買いました。
リングフィットアドベンチャーは、
実際に身体を動かしながら進めていくゲームです。
「ジムに行くよりコスパが高い」
と思っての決断ですが、
まさか、スポーツジムとゲーム機を
天秤にかける日が来るとは夢にも思ってもいませんでした。
【一日一新】
桃太郎電鉄(Nintendo Switch)