独立当初は、
いままで経験したことのない判断を次々と迫られます。
これがとにかく「分からない」。
しかし、時間が解決してくれます。
それまでは、じっと耐えて、
「勘」が育つのを待ちましょう。
独立当初に次々と降ってくる「難問」
独立すると、
今まで考えたことのないような問題が次々と襲ってきます。
独立して1年ほどでしょうか、
私はこの分からなさ加減に滅入ってしまい、
「こんなことで自分は食っていけるんだろうか…」
と自信を喪失しかけたことが、一度や二度では済みません。
・どうやって仕事を取ってくるか
・自分のサービスの値段をいくらに設定するか
・契約書の文言はどう書くか
・事務所を借りるか、自宅で仕事をするか
・どんなパソコンを買ったらいいか
・有料のサービスに申し込むべきかどうか
・ホームページはどうやってつくるか
・プロフィールは何をアピールすればいいか
・申し込みページに必要な情報は何か
・ブログのネタはどうするか
・お金の管理をどうやればいいか
・確定申告をどうやってやるか
仕事を取る側で決めないといけないこともあれば、
経費を払う側で決めないといけないこともあります。
営業の問題もあれば、
経理の問題もあります。
会社員でやっていたやり方をそのまま採用することもあれば、
新しいやり方を模索することもあるでしょう。
お金を払えば解決する問題もありますが、
多くの場合、潤沢に資金があるわけではないので、
慎重に判断していく必要があります。
かといって、
どんどん決めて進んでいかなくては、
時間ばかりが過ぎていってしまいます。
そもそも答えが存在しない問題も数多くあり、
「これで行くんだ!」と決めた瞬間に、
「ああやっぱり…」と即撤回し、
右往左往してしまうことも。
その「分からない」は時間が解決してくれる
しかし、安心してください、
その「分からない」は、時間が解決してくれます。
考えてみれば当然のことで、
自分で事業を立ち上げて、いちから創り上げることは、
初体験のはずだからです。
「実務」としては今まで経験が蓄積されていても、
「営業」も「経理」も、ほぼやったことはないでしょう。
見当もつかないのは、無理もありません。
そして、時間が解決してくれて、
「勘」が育つようになります。
・この問題はここがポイントだ
・自分の場合この選択肢は「消し」でいい
・この辺りを検討すれば答えが出そうだ
・これは考えるよりまず試した方が早い
などと、
頭の中になんらかのフィードバックが得られるようになります
これはなぜかというと、
一回本気で考えて取り組んだ実績があるからです。
似たような問題に対峙したことがあるので、
検討材料がすでにあるのです。
はじめは見当違いで大外れの結果だったとしても、
2回目以降はその経験があるので、
そこから軌道修正するのは比較的たやすいでしょう。
1年経てば、一通りのイベントが発生しますので、
未体験ゾーンは着実に狭まります。
時間稼ぎのための借り入れのススメ
その意味でいうと、
自分の判断軸ができ上がるまでが、
ひとつの「耐えとき」になります。
時間としたら、最初の1年〜1年半くらいでしょうか。
それまでは、思わしい結果が出なくても、
焦らず、腐らず、そして怠らずに努力をする、
そんな環境を整えたいところです。
そのための時間稼ぎとして、
創業時に事業用資金を借り入れておくことがオススメです。
お金の心配が目の前に迫っていると、
まともな判断ができず、
うまく行くものも行きません。
私の場合は、
お金の不安で縮こまってしまって、
行動に踏み出せない、という時期がありました。
自ら動いていかないと仕事はもらえないし、
お金を節約しながらでもできることはあるのに、
脳が萎縮してしまったかのように、
まともな思考ができず、ただただ不安に耐えるだけでした。
その状況を変えるきっかけのひとつが、
借り入れをしたことでした。
借り入れに抵抗がある人も多いとは思いますが、
借りるだけ借りて、使わずに取っておけばいいのです。
借りることが悪いわけではなく、
借りた金を返せないことが問題なのです。
もし、資金繰りが本当に厳しくなって、
もう少しで挽回できそうなときだけ、
手を付けるようにして、
そうでなければ、
借りたお金は手を付けず、そのまま返していくだけ。
万が一、事業をやめてしまう場合でも、
手を付けていなければ、お金を返せない、ということはないので、
リスクはほとんどありません。
私自身、この方法で、借りたお金をそのまま返しています。
利息はかかりますが、これは安心料です。
それに、せっかく自分の人生を懸けて、
やっとの思いで独立したのに、
あとちょっとのところで軌道に乗りそうなのに、
そこでお金が尽きてタイムアップ、
となるのは非常にもったいないことです。
時間稼ぎをするためにも、
心の安定を得て、まともな判断をするためにも、
借入をしておく。
心配性な方にこそ、おすすめです。